
みつばち社会ではローヤルゼリーとは、女王バチだけが食べるこ とのできる特別食です。そのため「王乳」とも呼ばれています。 ローヤルゼリーの原料となるのは、みつばちが花から集めてきた 花粉です。
働きバチが花から集めてきた花粉やハチミツを若い働きバチが食 べ、それを体内で分解・消化・合成しミツバチの唾液腺ともいえ る咽頭腺などからから分泌されたものがローヤルゼリーです。 このようにして作られる生ローヤルゼリーは、舌をピリピリ刺す ような酸味のある乳白色のクリーム状の物質です。
卵から孵化したみつばちの幼虫は、最初の3日間ほどはどの幼虫 にもこの乳白色をしたクリーム状のローヤルゼリーが与えられま すが、その後は選ばれた幼虫(女王蜂)のみが、このローヤルゼ リーを与えられてその他の幼虫たち(働き蜂)は花粉とはちみつ が混ぜられたもので育てられます。
王台という特別な部屋でローヤルゼリーを食べ続けた女王バチは、 体長18mmぐらいまで育ち、体長10mmにしかならない働き バチと比較すると約2倍近く大きさが違い、寿命も他のミツバチ と比べて30倍〜40倍も長生きします。
繁殖期になると、巣の下部に「王台」呼ばれる新女王バチのため の特殊な部屋が用意されます。そこで、女王バチは次々と産卵し ます。その数はピーク時には1日2000個前後で、1日に産卵 する卵の総重量は女王バチの体重とほぼ同じだと言うから驚きで す。みつばち社会の中で、このように重要な能力をもつのは女王 バチのみです。
これも栄養豊富なローヤルゼリーのおかげなのです。